2012年03月13日

四万川リハビリテーション7〜ダムと祈り〜

四万川ダムは、四万温泉を洪水被害から守るために建設されたダムです。
そして四万川ダム建設後、四万温泉で洪水被害は出ていません。


rainyshimagawa.jpg
四万川ダム下流面です。
若干アングルが違いますが、他の重力式コンクリートダムの写真を示すと
ohmachi.jpg大町ダム(長野県大町市)

違いがお分かりになりますか?

四万川ダム下流面は、以前ちょっと書きましたが化粧型枠を使ってコンクリートを打設しています。
コンクリート表面に模様のような筋があるのがお解りいただけると思います。
一方、大町ダム下流面は経年による汚れが見受けられるものの、のっぺりしており、四万川ダムに見られるような模様がみられません。

この化粧型枠の存在が、ダムファンの意見を分けたようです。
このダムを「やっちまった」と評した方は、ダムはストイックにあるべし、余分な装飾は不要と思われたのでしょうか。
でも。
私は、この化粧型枠こそが四万川の四万川たる所以だと認識しています。

一部からdisられてますデザイン関係、四万川ダム工事誌を元に、もう少しつっこんでみます。
計画時、四万川ダム及びダム貯水池(ダム湖/奥四万湖)周辺は」「中之条リゾート整備計画」において、「四万川ダムゾーン」と位置づけられていました。
整備方針を工事誌から抜粋すると
「ダム及びダム湖周辺を区域とし、地域に開かれたダム事業の目的とするダム本体や湖面の可能な限りの一般開放やダム湖周辺の利活用のできる区域に、ダム周辺道路をアクセスに周遊性を持たせた配置になるよう景観施設や親水施設等を整備するとともにウォータースポーツやイベント等のソフト事業の展開の場とする。」

そしてこの整備計画、なにが目玉かというと「ダムを下流からも見る」という視点を導入した点にあると思います。
ダム下流右岸は『集いの景』と銘打たれ、整備の基本方針として「当該区域は四万川ダムゾーンの入り口であり、基本的な考え方は『人がともに楽しむ舞台』と位置づけられている。ダム周辺への拠点であることから、人の集まりやイベント機能を兼ね備えた広い空間を創出するものとした」と謳われ、ステージ、芝生広場、ブロック舗装の園路、駐車場、親水用階段などの設備が計画され、実際に配置されました。
hinatamipark.jpg
言うまでもなく下流にある日向見公園のことです。
そして実際にイベントで活用されています。
okushimamatsuri.jpghinatamigunma.jpg
平成21年の日向見公園における「奥四万湖夏祭り」の様子です。
もう一度整備基本方針を見て下さい。
群馬県と中之条町がこの日向見公園を、「四万川ダムゾーンへの入り口」「ダム周辺への拠点」と規定したということは、特筆すべきことだと考えます。

<以下チラシの裏>だってさー、ネットでダム情報調べたりして、一般の方のブログとかがヒットするじゃん?そーすると、ダム湖の写真を「ダム」って銘打ってアップしてたりするのを多々目にするわけですよ。非ダムオタなら仕方ないけど、責められないけど、原因を考えてみるとですね、行政とか観光協会とか(つまり公のサイト)が平気でそういうことをやってるわけですよ。ダム上流面がチラッとでも写っていれば「あー、ダムだよなあ」と、多少のモヤモヤはあっても許せるのかもしれませんが、「どう見てもダム上流側(どう見ても100%ダム湖と周囲の山と空)だったりすると、小一時間説教かましたくなります。あれ、本気でイラッとするわ〜。そういう意味でもこの計画は素晴らしい!と絶賛したくなるわけです。<以上チラシの裏>

で、化粧型枠に話を戻します。
工事誌では、四万川ダム建設地点が「上信越国立公園内にあり、人家や温泉街の観光地に近いことから、ダム完成後の景観に配慮して、ダム下流面に周囲の自然環境に溶けこむように擬岩模様の化粧型枠を採用した」とあります。
下流からみることを意識した結果生まれたのが、この外観だったということなのかもしれません。
国立公園内の開発は様々な制約があり、仮設備のカラーリングさえも環境庁の指導が入るということです。
もしかしたらデザイン決定の経緯にも、何かあったのかもしれません。

ただ、私が完成した四万川ダムサイトを見て思うことは
以前からの繰り返しになりますが
「水害ではなく、水の恵みを下さい」
「穏やかに流れる川であって下さい」
「ダムは下流を守る城砦であってください」
という、四万川の氾濫による被害を受け続けた地域の祈りを具現化したらこんな形になったんじゃないか、ということに尽きます。

もはや妄想と言うべき私の思い込みなのですが、この妄想フィルタを通すとあら不思議。

四万川ダムが
身を呈して下流を守る王子にしか見えなくなってしまうのですw

だってね、見てやってくださいよ。この雪の四万川ダムの美しさを。
snowshimagawa.jpg
擬岩模様に雪が降るとこんな感じになるのです♪

四万川ダムは王子です。
誰がなんと言おうと、王子なんです。


posted by 夕顔 at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ダム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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